エンジンオイルにはそれぞれのお車に適した「粘度」があるのをご存じですか?
指定粘度外のエンジンオイルの使用は、燃費悪化・車の寿命低下に繋がります。指定された適切なオイルを使用しましょう!
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エンジンオイルの粘度の見方
エンジンオイルの粘度表記には2種類あり、「シングルグレード」と、「マルチグレード」があります。
シングルグレードの場合は、低温・高温に関係なく一定の粘度を保てるのに対し、マルチグレード(例0W-20)は、低粘度-高粘度と2つの表記が組み合わさっています。
マルチグレードの前半部分の「W」はWinter(冬)の頭文字をとった表記であり、低温時・外気温の影響を受ける粘度(始動性)を示しています。
後半部分は高粘度、つまりエンジン稼働時の熱に影響する粘度(耐摩耗性)を表しています。現在市販されているエンジンオイルはほとんどがマルチグレードです。
車種・メーカーによって指定粘度が存在している理由は、エンジン内部のごくわずかな隙間(クリアランス)の気密性・圧縮性を補うためです。適正な粘度のエンジンオイルを使用してクリアランスを埋められるようになると、ピストンとピストンリングの圧縮性が上がるため、ガス抜けが減り、エンジン本来のパワーを引き出せるようになります。
反対に、クリアランス(隙間)の大きさに適したエンジンオイルを使用しないと、燃費が悪化し、クルマの寿命低下に繋がります。
粘度の違いによる燃費の差
粘度の違いによって燃費にどれだけの影響があるかを調べた実地検証があります。
※(株)CAPスタイル調べ
【検証車両】
H25年式 日産セレナ Sハイブリッド・前期(DAA-HC26)
メーカー推奨粘度:0W-20
【検証エンジンオイル】
- モービル1 0W-20
- モービル1 5W-30
- モービル1 10W-30
【検証結果】※高速道路8割・一般道2割
非適合のエンジンオイルによって、1L当たりの燃費差が、指定粘度のものより最大2.3kmも落ちてしまいます!
エンジンオイル交換費用は高粘度の物の方が1,000円程度安い傾向にありますが、燃費の面で考えると、指定粘度のエンジンオイルを使うほうが、年間で数千円、数年で数万円もお得になるのです。
高粘度のエンジンオイルを使った方が良いって聞いたけど…!?
しかし、長年乗り続けていると、指定粘度のエンジンオイルを潤滑にしていても摩耗していく現象は防げないため、クリアランスは徐々に広がっていきます。
「油膜の厚み(粘度・硬さ)が足りない」=「気密性・圧縮性が保持できない」状態になり、エンジンに不調が現れる可能性が高くなってきます。
上記のような状態を改善するためにとる対策の一つが、「エンジンオイルの粘度を上げる」という方法です。粘度を上げることによって、気密性が高まりクリアランスの広がりを埋めることができます。また機械同士がぶつかるエンジン内部の異音や熱ダレを防げるといった効果をもたらすことが期待できます。
しかし、加速性やパワーを求めるミニバンやスポーツカーであればエンジンオイルの粘度を上げることは効果的ですが、ハイブリッド車、アイドリングストップ機構搭載車といったエコカータイプは、エンジン内部の温度上昇が緩やかであるため、低温時でも保護力を維持できる低粘度オイルを推奨しています。
クルマに合った正しい粘度のエンジンオイルを使用して、「愛車に優しく、お財布にも優しい」運転をしましょう!!
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